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天然 対 合成

錠剤 対 粉末

アスコルビン酸無機塩

ビオフラボノイド

ビタミンC代謝産物

アスコルビン酸
パルミチン酸塩

D-イソアスコルビン酸

参考文献

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ビタミンC情報
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ビタミンC(アスコルビン酸)の異なる色々な形状の
生物学的利用能

 栄養補助食品(サプリメント)が急速に広がっている市場で、それの有効性や生物学的利用能について、とても多くのことを要求する様々な形状がビタミンCに見つけることが可能である。
 生物学的利用能とは、栄養物(または薬剤)が投与された後、標的組織で利用可能になる度合いに相当する。
 我々は、異なる様々な形状のビタミンCの生物学的利用能について、科学的な研究成果の文献を概説した。

天然-・対・合成-アスコルビン酸

天然および合成のL-アスコルビン酸は化学的には同じものであり、それらの生物学的活性の違いは知られていない。
 天然資源からのL-アスコルビン酸の生物学的利用能が合成アスコルビン酸のそれと相違するかもしれないという可能性は、少なくとも2カ所の研究室で調べられて、臨床的な有意な違いは観察されなかった。

     12人の男性(6人の喫煙者と6人の非喫煙者)の研究は、わずかにオレンジジュースのそれより優れている合成アスコルビン酸(水の中に加えた粉末)の生物学的利用能を見出し、それは血中のアスコルビン酸濃度の結果に基づき、白血球細胞でのアスコルビン酸では差がなかった(1)

     68人の男性非喫煙者での研究は、調理されたブロッコリー、オレンジジュース、オレンジスライスや、合成アスコルビン酸錠剤として飲み食いされたアスコルビン酸が、血漿アスコルビン酸濃度として測定されたように生物学的利用能が等しいということを示した(2,3)

様々な形状のアスコルビン酸(粉末、錠剤、その他)

 アスコルビン酸の胃腸での吸収は、受動的な拡散を経ると同様に、能動的な輸送過程を通じて生じる。
 胃腸内で、低濃度のアスコルビン酸では、能動的輸送が優勢であるけれども、高濃度では能動輸送で飽和状態になり、わずかに受動的な拡散が起こる。
 理論的には、空腹になる速度を遅らせるために、例えば、飲食物でアスコルビン酸を取るか、徐放性形状のアスコルビン酸を摂取することによって、その吸収を増やすべきである。
 噛めか噛めないかの錠剤の違いには関係なく、アスコルビン酸の生物学的利用能は同じであるように見えるけれど、徐放性製剤からのアスコルビン酸の生物学的利用能は確証は少ない。

     3人の男性と1人の女性での研究では、1グラムのアスコルビン酸が溶液、錠剤、噛める錠剤から同程度に十分に吸収されるが、徐放性のカプセルからの吸収は50%以下であったことが見出された。
     アスコルビン酸の吸収量は静脈注射後の尿排出アスコルビン酸量を測定して、経口投薬後の尿排出のアスコルビン酸量と比較することで評価した(4)

     さらに最近の研究では、500mg/日の徐放性アスコルビン酸の500mg/日と普通のアスコルビン酸とプラシーボのいずれかを栄養補助食品として摂取させた59人の男性喫煙者でアスコルビン酸の血漿濃度を調べている。
     2ケ月後、徐放性アスコルビン酸と普通のアスコルビン酸との間で、血漿アスコルビン酸濃度の有意な違いは見いだされなかった(5)

アスコルビン酸無機塩

 アスコルビン酸の無機塩(ミネラルアスコルビン酸)は、酸性度を少なくして、人への酸の衝撃を和らげている。
 このようにアスコルビン酸無機塩は、普通のアスコルビン酸よりも胃腸の問題(腹痛や下痢)に直面する人々に、たびたび勧められる。
 だが、アスコルビン酸無機塩が胃腸管に対してチクチクさせないという主張を支持するか否定する科学的な研究は、ほとんどないようである。
 アスコルビン酸のミネラル塩を摂取すると、アスコルビン酸と無機物の両方がよく吸収されるので、アスコルビン酸無機塩の大量投与の時には、アスコルビン酸とそれに付随する無機物の服用を考慮することが重要である。
 この議論を理解するには、1グラム=1000ミリグラム(mg)、1ミリグラム(mg)=1000マイクログラム(mcg)であることを留意すべきである。
 アスコルビン酸無機塩は、下記の形状が利用可能である:

    アスコルビン酸ナトリウム塩:
     アスコルビン酸ナトリウム塩は、大抵1000mgのアスコルビン酸当たりに131mgのナトリウムを提供する。
     低ナトリウム食(例えば高血圧者用)を取っている人は、全ナトリウム摂取量を2500mg/日未満までに保つことを一般的に勧められる。
     このように、ビタミンCの大量投与は、大量なナトリウム摂取量を非常に増やす可能性がある(塩化ナトリウム(英文)の項を参照)。 
    アスコルビン酸カルシウム塩:
     純粋なアスコルビン酸カルシウム塩は、1000mgのアスコルビン酸につき114mgのカルシウムを提供する。
     この形状でのカルシウムは、合理的に十分に吸収されるようである。
     大人に対し推奨されるカルシウム栄養摂取量は、1200〜1200mg/日である。
     全カルシウム摂取量は、2500mg/日の上限レベル(UL)を超えるべきでない(カルシウム(英文)の項を参照)。

     後述のアスコルビン酸無機塩は、他の無機物と同様に、別のアスコルビン酸無機塩との併用により、さらによく見いだされる。
     各無機物の服用と同様に、アスコルビン酸の服用に対して栄養補助食品(サプリメント)のラベルをチェックすることは、よい考えである。
     推奨される食事摂取量と摂取の最大上限レベル量(利用可能な時の)は、下記に個々のアスコルビン酸無機塩の後にリストされる。

    アスコルビン酸カリウム塩:
     
    カリウムの最小必要量は1.6〜2.0グラム/日と考えられる。
     果物と野菜は、カリウムの豊富な供給源であり、食物栄養価が高いものでは、8〜11グラム/日ぐらいを提供するかも知れない。
     急性で潜在的致死性のカリウム毒性(カリウム過剰血症)は、大人では毎日、約18グラム/日のカリウムの摂取量で生じると考えられる。
     カリウムを控えて利尿剤と取っている人と腎臓の機能不全(腎臓損傷)の人はアスコルビン酸カリウム塩の大量摂取量を回避するべきである。
     市販のアスコルビン酸カリウム塩の最も純粋な形状は、アスコルビン酸の1グラムにつき、カリウムの0.175グラム(175mg)を含む(カリウム(英文)の項を参照)。
    マグネシウム・アスコルビン酸塩:
     マグネシウムに対する1日栄養所要量(RDA)は大人の男性で410〜420mg/日で、女性は310〜320 mg/日である。
     栄養補助食品(サプリメント)からのマグネシウムに対する摂取量の上限レベル(UL)は、350 mg/日を越えるべきでない(マグネシウム(英文)の項を参照)。
    アスコルビン酸亜鉛塩:
     亜鉛に対する1日栄養所要量(RDA)は、男性成人で11mg/日、女性成人で8mg/日である。
     大人に対する亜鉛摂取量の上限レベル(UL)は、40mg/日を越えるべきでない(亜鉛(英文)の項を参照)。
    アスコルビン酸モリブデン塩:
     モリブデンに対する1日栄養所要量(RDA)は、成人男女とも45マイクログラム(mcg)/日である。
     大人でのモリブデン摂取量の上限レベル(UL)は、2000マイクログラム(2mg)/日を越えるべきでない(モリブデン(英文)の項を参照)。
    アスコルビン酸クロミウム塩:
     
    クロミウムの推奨食事摂取量(AI)は、成人男性で30〜35 マイクログラム/日、成人女性で20〜25 マイクログラム/日である。
     摂取量の最大上限レベル(UL)は、米国食物栄養委員会による設定がなされていない( クロミウム(英文)の項を参照)。
    アスコルビン酸マンガン塩:
     マンガンの推奨食事摂取量(AI)は、成人男性で2.3 ミリグラム/日、成人女性で1.8 ミリグラム/日である。
     大人でのマンガン摂取量の上限レベル(UL)は、11ミリグラム/日を越えるべきでない。
     アスコルビン酸マンガン塩は、グルコサミンやコンドロイチン硫酸塩の製剤で見いだされる。
     薬品ラベルで勧められる投与に従うと、マンガンの上限レベルを越える摂取量になる可能性がある(マンガン(英文)の項を参照)。

ビオフラボノイドとのビタミンC

ビオフラボノイドは、水溶性植物色素の一種である。
 ビタミンCの豊富な果物や野菜、特に柑橘類果物は、大抵、ビオフラボノイドの豊富な資源である。
 アスコルビン酸の生物学的利用能のビオフラボノイドの効果は、論文発表された2つの研究で実験された。
 5人の男性と3人の女性の研究で、ビオフラボノイド、タンパク質、炭水化物を含む天然柑橘類からの抽出物中に加えられる合成アスコルビン酸の500mgが合成アスコルビン酸だけの場合と比べて、さらにゆっくりと吸収されて、生物学的有効能が35%以上であったことが、血漿中のアスコルビン酸量の時間経過とアスコルビン酸の24時間-尿排出量を根拠に見いだされた(7)
 その研究ではアスコルビン酸に対するビオフラボノイドの比率(g/g)は、4:1であり、その割合は、ほとんどの市販製品よりもかなり高い。
 7人の女性と1人の男性による別の研究では、合成アスコルビン酸の500mgの生物学的利用能とビオフラボノイドを加えた市販ビタミンC製剤との間で違いが見出されず、そこではアスコルビン酸へのビオフラボノイドの比率は0.05:1であった(6)

アスコルビン酸塩とビタミンC代謝物質(エステル-C(R))

 主にアスコルビン酸カルシウム塩を含むエステル-C(R)であるけれど、少量のビタミンC代謝物質であるデヒドロアスコルビン酸(酸化型アスコルビン酸)とトレオニン酸カルシウム、そして、少量のキシロン酸カルシウムとリキソン酸カルシウムを含む。
 それらの資料で、製造業者は代謝物質(特にトレオニン酸塩)がこの製品においてビタミンCの生物学的利用能を増やすということを述べ、そして人体で行われた試験で、これらの代謝産物がエステル-C(R)中のビタミンCの生物学的利用能を増やすということを示した。
 この研究は、査読システムのある雑誌では公表されていなかった。
 8人の女性と1人の男性でのビタミンC生物学的利用能に関して論文公表された短報では、エステル-C(R)と市販のビタミンC錠剤との間でビタミンCの吸収および尿への排出に関して違いが見出されなかった(6)

 エステル-C(R)は、『ビタミンCエステル』(下記参照)として市場に出回っているアスコルビン酸パルミチン酸塩と混合してはいけない。

アスコルビン酸パルミチン酸塩

 アスコルビン酸パルミチン酸塩は植物油とポテトチップスの保存時間をのばすために使われる脂溶性抗酸化剤である(8)
 それは親水性部分と疎水性部分の両方を持つ両親媒性分子である。
 この水性溶媒にも油性溶媒にも親和性がある二重可溶性は、細胞膜に取り込まれるのを可能にする
 ヒト赤血球の細胞膜に含まれる時、アスコルビン酸パルミチン酸塩は酸化損傷からそれらを保護して、そしてフリーラジカルによる酸化からα-トコフェロール(油溶性抗酸化剤)を保護することが見出された(9)
 しかし、細胞膜におけるアスコルビン酸パルミチン酸塩の防御効果は、試験管内でのみ実証された。
 たぶん、アスコルビン酸パルミチン酸塩を経口摂取するしても、それらのほとんどは消化管での吸収する前に、加水分解してパルミチン酸塩とアスコルビン酸に分解されるようなので、細胞膜中への有意な取込みも起こらないだろう。
 アスコルビン酸パルミチン酸塩の加水分解によって生じるアスコルビン酸は、アスコルビン酸単独と同程度の生物学的利用能のようである(10)
 経口補助食品(サプリメント)でのアスコルビン酸パルミチン酸塩の存在は、サプリメントのアスコルビン酸含有量にも関与し、そして、たぶんサプリメント中の脂溶性抗酸化剤を保護するのを助けているだろう。
 コラーゲンの合成促進でのビタミンCの役割とビタミンCの抗酸化剤としての特性から、肌でのビタミンC使用に関心が持たれた。
 アスコルビン酸パルミチン酸塩は、普通のビタミンC水性タイプ(水溶性)よりも安定しているので、局所用調合剤で多用される(11)
 アスコルビン酸パルミチン酸塩は、ビタミンCエステルとして市場に出回っているエステル-C(R)と混合してはいけない(上記参照)。

D-イソアスコルビン酸(エリソルビン酸)

 エリソルビン酸はアスコルビン酸の異性体である
 異性体は同じ種類の同じ数の原子を有するけれど、分子配列が異なる化合物である
 異性体中の分子配列の違いは、化学的特性の違いを生じるかもしれない
 エリソルビン酸は、食品添加物として米国で使われ、一般にそれは安全であると認識されている
 米国食品流通に持ち込まれるエリソルビン酸は一日で一人当たり200mg以上と見積もられる。
 アスコルビン酸とは違ってエリソルビン酸はビタミンC活性を発揮すると思われず、例えば、エリソルビン酸はモルモット(人間以外でアスコルビン酸を合成しない数少ない動物の一種)の壊血病を防がなかった。
 しかし、そのモルモットの研究はエリソルビン酸摂取量を増やすとアスコルビン酸の生物学的利用能を最高で50%まで減らすということも示した
 対照的に、若い女性での一連の研究では、40日間もの長い間、1000mg/日でのエリソルビン酸が、迅速に体内から排出され、アスコルビン酸としての生物学的利用能は少ししかなく、エリソルビン酸が、ヒトの栄養摂取に妥当なレベルでのアスコルビン酸の生物学的利用能を減少しないことを示した(12)

(オリジナル英文ページへ)

REFERENCES

1. Pelletier, O. & Keith, M.O. Bioavailability of synthetic and natural ascorbic acid. Journal of the American Dietetic Association. 1974; 64: 271-275

2. Mangels, A.R. et al. The bioavailability to humans of ascorbic acid from oranges, orange juice, and cooked broccoli is similar to that of synthetic ascorbic acid. Journal of Nutrition. 1993; volume 123: pages 1054-1061. (PubMed)

3. Gregory, J.F. Ascorbic acid bioavailability in foods and supplements. Nutrition Reviews. 1993; volume 51: pages 301-309. (PubMed)

4. Yung, S. et al. Ascorbic acid absorption in humans: a comparison among several dosage forms. Journal of Pharmaceutical Sciences. 1982; volume 71: pages 282-285. (PubMed)

5. Nyyssonen, K. et al. Effect of supplementation of smoking men with plain or slow release ascorbic acid on lipoprotein oxidation. European Journal of Clinical Nutrition. 1997; volume 51: pages 154-163. (PubMed)

6. Johnston, C.S. & Luo, B. Comparison of the absorption and excretion of three commercially available sources of vitamin C. Journal of the American Dietetic Association. 1994; volume 94: pages 779-781.

7. Vinson, J.A. & Bose, P. Comparative bioavailability to humans of ascorbic acid alone or in a citrus extract. American Journal of Clinical Nutrition. 1988; volume 48: pages 501-604. (PubMed)

8. Cort, W.M. Antioxidant activity of tocopherols, ascorbyl palmitate, and ascorbic acid and their mode of action. Journal of the American Oil Chemistsユ Society. 1974; volume 51: pages 321-325.

9. Ross, D. et al. Ascorbate 6-palmitate protects human erythrocytes from oxidative damage. Free Radical Biology and Medicine. 1999; volume 26: pages 81-89. (PubMed)

10. DeRitter, E. et al. Physiologic availability of dehydro-L-ascorbic acid and palmitoyl-L-ascorbic acid. Science. 1951; volume 113: pages 628-631.

11. Austria R. et al. Stability of vitamin C derivatives in solution and in topical formulations. Journal of Pharmacology and Biomedical Analysis. 1997; volume 15: pages 795-801. (PubMed)

12. Sauberlich, H.E. et al. Effects of erythorbic acid on vitamin C metabolism in young women. American Journal of Clinical Nutrition. 1996; volume 64: pages 336-346. (PubMed)


作成者:
Balz Frei, Ph.D.
ライナスポーリング研究所 研究所長
生物化学・生物物理学部教授
オレゴン州立大学

Last updated 03/27/2001 Copyright 2000-2001 The Linus Pauling Institute


*このページの目的は、ライナス・ポーリング研究所のまとめたビタミンCに関する最新情報を提供する事にあります。
医学的な助言をする事は意図していません。これをお読みになったからといって、医師への相談なしで治療内容を変更したりしないようお願いします。
日本語版ページの情報に対して疑問、コメントがございましたらメールは長尾(nagao@bio.hiroshima-pu.ac.jp)までお送り下さい。
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